2022/07/22付 UTOSホームページ記事より
ヴィニツィア在住の全盲女性イリーナ・コスティウニクさんは、地域総合センターのリハビリテーションのインストラクターとして働いています。彼女はウクライナ盲人協会のヴィニツィア支部の雇用委員会の委員長でもあります。
職場では、視覚障害者のリハビリテーションを担当し、点字やスマートフォンの使い方などを中心に指導しています。
彼女にとって新しいチャレンジが始まりました。先日彼女の職場を訪れたのは、視覚と聴覚の両方に障害のあるエレナさんと彼女のガイド(聴覚障害者)で、コミュニケーション手段として点字の習得を希望しています。
エレナさんが緑内障により視力を失ったのは戦争に突入する前でした。適切な時期に治療を受けなかったために病気が進行し、失明してしまったのです。ガイドとは手話のゼスチャーに触れてコミュニケーションをとります。
エレナさんの点字学習は、イリーナさんがまずエレナさんのガイドに点字を教え、それをガイドが手話でエレナさんに伝えます。イリーナさんによると、盲ろう者への対応は非常に少ないケースで、彼女が思い起こすのは1970年代に有名になった「ソビエトのヘレン・ケラー」ことオリガ・スコロホードワさんだけです。
点字の習得に要する時間はとても個人差があり、1週間で読み書きができる人もいれば、数か月、あるいはそれ以上要する人もいます。それでも、自身でメモをとる手段として、視覚障害者にとって点字はとても重要です。