East Wind bP5

― WBU-AP(世界盲人連合 アジア太平洋協議会)ニュースレター ―

 

 

今回のニュース:

編集部より挨拶

WBUAP中期総会

WBUAP香港宣言

WBUAPDABDANIDAプロジェクト

自伝:アーリア・インドラワティ

カントリーレポート:2014年ラオス盲人協会

フィリピン・ファッション・ウィークに全盲の女性が初参加

フィリピン盲人協会女性委員会とマンブガン障碍者協会

アンティポロ市での視覚障害者支援のトレーニングセッションで活躍

国際視覚障害者教育協議会地域会議のお知らせ(東アジア地域)

編集部連絡先

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編集部より挨拶

 

 読者の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。皆様の希望が叶うよい年となることをお祈りしております。

 

 201412月1日をもって編集員を退任されたダイアナ・スワンソン氏には、編集部よりこれまでの感謝を申し上げたいと思います。また編集部一同、スワンソン氏が今後もご活躍されることを願っております。後任として、南オーストラリアRSBのご厚意により、ジェシカ・ハミルトン氏とキリー・バウアー氏が着任することとなりました。お二人の就任を歓迎し、これからの積極的な活動を楽しみにしています。

 

 今回は、香港での中期総会中に開催された様々なイベントについてお伝えします。また、フィリピン、ラオス、インドネシアから届いたニュースとWBUAPDAB(デンマーク盲人協会)によるプロジェクトについても取り上げました。

 

編集部では、読者の皆様からのご意見・ご感想、ニュースの寄稿をお待ちしております。メールでのご連絡は、どの編集員宛でもかまいません。編集部の連絡先は、ニュースレターの最後に記載しましたのでご覧ください。   

 

WBUAP公式ウェブサイトへのアクセスもお待ちしております!

アドレスはこちら:www.wbuap.org

編集部一同

 

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WBUAP中期総会

 

20141121日から24日にかけて、WBUAPは中期総会を香港のサイバーポート・コンプレックスで開催した。この会議は、香港盲人連合(HKBU)会長でこの会議の組織委員会議長チョン・チャンヤウ氏の指揮の下、HKBUが主催し、ステラ・ホー氏とHKBU職員が手際の良い調整役を務めた。さらに、25日・26日に同じ会場で役員会を行なったWBU役員も出席し、総会を盛り上げた。総会をスムーズに運営し、盛り上げることに尽力していただいたHKBU関係者、そして積極的に総会へ参加してくださったWBU役員の方々には心からの感謝を申し上げたい。

 

総会では計画通りに、女性・青年・情報アクセシビリティ・社会的起業・国連障害者の権利条約(UNCRPD)といったテーマのワークショップやシンポジウムが開かれた。これらのセッションで取り上げられた目標や提言は、『香港宣言』に反映された。宣言については別の記事で詳しく取り上げているので、そちらを参照していただきたい。参加者は、アジア太平洋地域内外30以上の国と地域から379人が集まった。しかし、参加に向けた多方面の努力にも関わらず、北朝鮮・サモア・その他の太平洋諸国から代表者の参加がなかったことが残念でならない。

 

WBUAP理事会・政策委員会・各委員会が『香港宣言』の内容を実行に移し始めることで、近いうちにこの総会についてより詳しい内容を知ることができるだろう。特に注目を集める取り組みが、ケビン・マーフィット氏によるサイレント・オークションだ。商品として寄贈されたのは、オーストラリアのブーメランとカンガルー、日本の折り紙でできた孔雀、マレーシアの伝統的な家の模型、ベトナムの木製の水牛の置物、デンマークの人魚の像、そのほかにも面白いアイテムが中国・モンゴル・ミャンマー・タイから寄せられた。総額で2135オーストラリア・ドルの資金を集めることができたのに加え、HKBUから1000米ドルの寄付が寄せられた。

 

 

WBUAP香港宣言

 

20141124日に香港で開催された、WBUAP地域中期総会(以下、総会)の参加者である私たちは、

@アジア太平洋地域(以下、地域)の全ての各国政府に対し、視覚障害者やその他の印刷物を利用できない人々が文学・文化・教材に完全にアクセスできるよう、マラケシュ条約への早急な批准を求める。

A視覚障害者やその他印刷物を利用できない人々が情報アクセスを進めるアドボカシー(提言)活動を展開できるよう、アジア太平洋地域において国連開発計画(UNIDP)との協力体制を構築する機会が得られたことを感謝する。

Bインチョン戦略の行動計画を推進するために、各国政府による情報収集や障害インクルーシブな政策・戦略立案に向けて、開発期間が協力し合うことを推奨する。

Cアジア太平洋地域の全ての各国政府に対し、「国連障害者の権利条約(UNCRPD」の速やかな批准と有効な実施に向けた努力を要求する。特に国や国連へパラレル・レポートを提出した締約国が半数にも満たなかったことを鑑み、独立した検証の仕組みの構築において、障害者や当事者団体が確実且つ効果的に参加できることを求める。

D女性フォーラムでの視覚障害女性たちの熱意と強い決意を受け、国連ESCAP2014年のジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関するアジア太平洋政府間閣僚宣言に従い、障害をもつ女性のエンパワーメントのためのプログラムの推進に向けて運動する。

Eアジア太平洋地域の視覚障害をもつ青年が直面する問題や機会を鑑み、また総会中に開催された青年フォーラムにおいて青年たちの社会改革への意識や企業家精神が刺激されるという、すばらしい成功を収めたことを受けて、今後の地域総会での青年フォーラムの開催とWBUによる国際青年サミットの開催に向けた検討を提案する。

F技術の進歩は視覚障害者のインクルージョンを進め、社会的孤立を解消できることから、各国政府や企業、その他の関連機関に対して、基本的な技術は視覚障害者が使用可能且つアクセスが可能で、経済的にも入手することのできるために必要な措置を講じることを要求する。

G他の視覚障害者団体との連携も図りながら、ウェブデザイン・アプリ・Eラーニング等のIT製品やサービスが、国際的に認知されたアクセシビリティ基準を採用するように働きかけるため、アジア太平洋地域レベルでウェブ・アクセシビリティキャンペーンを展開する。

Hファンドレイジングや能力開発の分野で優れた事例や計画の積極的な共有を奨励する。

Iアジア太平洋地域内の視覚障害者の深刻な雇用問題を鑑みて、各国政府に対し、雇用主や社会への啓発、雇用プログラムへの移行、支援機器導入の枠組み等を含む、視覚障害者のオープンな市場で確実な就労に向けたプログラムの実施を求める。

Jソーシャルビジネスにより視覚障害者の雇用創出や社会の意識改革、更に視覚障害運動への資金創出にも繋がることから、ソーシャルビジネス推進に関する作業部会をWBUAPWBUに設置することを求める。

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WBUAPDABDANIDAプロジェクト

 

既にご存知の読者もいると思うが、2014年前期にWBUAPはデンマーク盲人協会(DAB)と折衝し、300万米ドルの資金援助をデンマーク国際開発機構(DANIDA)向け申請を手配した。この資金は、ラオス盲人協会(LAB)とモンゴル盲人協会(MNFB)の能力開発プロジェクトを継続するために必要であり、また今回の場合にはミャンマー盲人協会(MNAB)を支援する資金も含まれていた。

DABは加盟しているデンマーク障害者協会(DPOD)の支援を受け、9月にDANIDAから申請の承認を受けることができ、私たちは彼らが協力してくれたことを大変感謝している。中期総会終了後の1125日から28日にかけて、関係団体の代表は会議を開き、3年間に渡るプロジェクトの実施計画について議論した。以下はWBUAPがプロジェクトを支援し、アジア太平洋域内の発展途上にある関係団体を援助するために打ち出した、行動計画の概要である。

 

1. WBUAPの非常勤編集委員の採用:

2015年6月までに、アジア太平洋地域の比較的強力な団体と話し合い、この内の一団体が非常勤編集員の適任者を見つけ、団体資金とDANIDAプロジェクトから報酬を支払う責任を持つよう、交渉を成立させる。非常勤編集員の主な仕事は次のように予定している。まず、読者にとって役立ち、インスピレーションを与えるような情報を集めて、既存の地域のコミュニケーション手段でタイムリーに配信する。また、これらの情報をインターネットラジオ等のWBUAP編集部が推奨する新たな手段で配信する方法を開発する。そして、以下に示した要領で各国の情報リエゾンオフィサー(CILO)をコーディネートする。

 

2. CILOの任命:

2015年6月までに、被任命者の職務を決定し、最低5カ国と適任者の職務を任命する交渉を行なう。先進国の関係団体がCILOの任命に掛かる経費を補い、WBUAPもアジア太平洋域内の途上国のCILOに対し、同様の援助を提供するよう希望する。

 

3. WBUAPウェブサイトのデザインの変更:

2015年6月までに、WBUAPウェブサイトの運営・メンテナンス、デザイン変更のための調査、そしてWBUAP編集部が提案するデザイン変更に向けた前向きな行動について議論し合意する。

 

4. ファンドレイジング活動:

2015年6月までに、財政委員会も参加し、WBUAPウェブサイトを活用して、ファンドレイジング活動の分野、特に金銭的な持続可能性を確立している団体の効果的な手法を積極的に推進し、アイデアを共有する。

 

5. アジア太平洋視覚障害青年サミット:

2015年6月までに、8月にマレーシアのペナンで開催する青年サミットの手配を済ませ、様々な経験の共有やネットワークの構築、香港宣言で求めた青年開発プログラムの提案のために、新興国の団体から青年メンバーが参加するのに必要な資金を調達する。

 

6. 女性プログラムの推進:

2015年6月までに、WBUAP女性委員会を中心に、WBUAP加盟団体が女性委員会を創設して活動計画を立て、特に若い女性のリーダーシップに関するアドヴォカシー活動を初めとして、彼女たちのニーズに答えるプログラムを開発することを奨励する。

 

7. 国連障害者協定枠組みの実施:

WBUAPCRPDコーディネーター・各国家代表・マラケシュ条約コーディネーター・女性委員会は、『国連障碍者権利条約(CRPD)』『マラケシュ条約』『インチョン戦略』『女性差別撤廃条約(CEDAW)』『全ての人に教育を・視覚障害児版』を初めとする、多くの国連機関が採択した協定・条約の実施に向けたアドヴォカシー活動の分野における助言と技術支援を推進し、提供する。

 

8. 雇用と起業の推進:

WBUAPの雇用委員会(CEEE)とマッサージ委員会を中心に、職業訓練等のプログラムを活用して視覚障害者の就労能力の向上・増進を図る。また、社会的起業への視覚障害者の参加や、視覚障害をもつマッサージ師の養成・能力向上を積極的に推奨する。

 

(以上はWBUAPのプロジェクト運営委員会を代表して、田畑美智子氏とアイヴァン・ホー氏が提出したものである。)

 

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自伝: アーリア・インドラワティ

 

Pertuni=インドネシア盲人協会会長(任期2014年〜2019年)

学歴: 法学士

職業: 広報部所属(Public relations practitioner

ソーシャルワーカー(視覚障害者専門のキャリアカウンセラー)

社会事業家

趣味: 読書、執筆、旅行、スポーツ

モットー: The more we give, the more we get.(多くを与えれば、多くを得る。)

私の考えるリーダーシップとは:

共通の目標や夢の達成に向けて、共に活動する人々に影響を与えるだけのパワーと能力を持っている。

 

 

私は弱視という障害をもって産まれたことで、特に教育を受ける時に屈辱的な差別を受けました。私は進級に必要な最低限の成績を取得していましたが、高校の教員と校長、また同様に私が進学を希望していた大学の学長にも断られてしまいました。兄弟姉妹が好きな本を読んで楽しんでいるにも関わらず、私には教育を受けていても読める本がなかったことが悲しかったです。自分に対して何が起きているのか、なぜ弱視だからといって自分は不当な扱いを受けるのかといった多くの問を自分に投げかけていました。

 

自分にはとてもすばらしい両親がいることが本当にありがたかったです。両親は私にとってのヒーローであり、代弁者であり、いつも味方になってくれる親友でもありました。私が自立できるようになるまで、彼らは私に力をつけ、成長を支えてくれました。

 

両親に加えて私の人生を最も応援してくれたのが、初等教育を受けるために通った盲学校の校長と教師でした。校長先生は、私にとって初等教育後のベストな学習の場は一般の中学・高等学校であることを両親に納得させました。その時に私は現実の世界へ踏み出すこととなったのです。その世界とは自分が弱視であると言う理由から私を受け入れない世界、しかしそれはまた、自分が弱視者として地域や社会をよりよい場所にするために貢献できる世界でもありました。

直面した数々の難しい状況は、私を強い人間へと変えていきました。私にとっての学びとは、学校や大学に在学している時だけでなく、一生涯行なうことなのです。

 

20年前の1994年、私がまだ生まれ育った街であるセントラル・ジャワのセマランにいたころに、自分以外の視覚障害者たちの力になりたいという望みが自分の中に芽生えました。盲学校の先生がPertuniという視覚障害者団体を私に紹介してくださいました。Pertuniのオフィスで視覚障害者の中にいると、アットホームな気分になりました。そこで私は、この団体に所属し、いずれかの委員会のメンバーにしてほしいと頼むことに決めました。

 

Pertuniのイベントに参加していた日は気持ちを落ち着けることができませんでした。100人近くの視覚障害者が集まり、その大部分は十分な教育を受けていなかったのです。私を含めた二人が大学を卒業しており、他の数人だけが高校の卒業資格を取得していました。私は、彼らが満足な教育を受けておらず、貧しく、権限をもっていないことにショックを受けました。これが私の生涯で最も重大な気づきでした。

 

数年後の2004年には、ジャカルタにあるPertuni本部で3代目の副会長として関わりました。Pertuniのリーダーとして私を大いに成長させた重要な成果が「高等教育プロジェクト」といって、視覚障害学生の高等教育機関への進学の促進とインドネシアで障害インクルーシヴな高等教育の推進を図るプロジェクトでした。このプロジェクトは国際視覚障害者教育協議会(ICEVI)を通じて日本財団からの支援を受けており、私はプロジェクトの現地コーディネーターとして、ICEVI会長のラリー・キャンベル氏と共に活動するという大変すばらしい機会を得ました。またコーディネーターとしては、「草の根」レベルから国家政策の改革にいたるまでの戦略を考え、より計画的にアドヴォカシー活動に取り組まなければなりませんでした。プロジェクトは成功し、インドネシア教育相によるインクルーシヴな高等教育に関する法令、つまり国内の大学に対してインクルーシヴ教育の実践を開発するように指導する政策方針が発布されました。

 

Pertuniの第8回総会で、私は2014年から2019年までが任期の会長に選出されました。7人の会長候補者の内、女性の候補者は私だけでした。

私にとってPetuniのような国を代表する団体のリーダーとなるのは短い道のりではありませんでした。地方レベルの委員会でのリーダーシップから始め、そして国家レベルまで上がったのです。

 

インドネシアは規模の大きな群島です。視覚障害者は何千もの島に広く存在しています。保健省の統計によれば、その数は360万人とのことです。彼らの殆どが未だに十分な教育を受けておらず、貧困に陥っています。

 

Pertuniの今後5年間の行動指針は「インドネシアにおける視覚障害者の貧困からの解放」です。学齢に達した子供たちのために、私たちは「Let's go to school」という、盲学校でも一般学校でも子供たちへのインクルーシヴな教育を推進するための運動を始める予定です。私たちは、政府は視覚障害児が12年間の義務教育を確実に受けられるように取り組むべきだと考えています。

 また私たちは、視覚障害学生の高等教育機関への進学が制限されているとも感じています。初等・中等教育も重要ですが、高等教育は人格形成にいたる大切な手段です。若者たちが教育を受ける権利を得て、次世代のリーダーとなることを願っています。

成人に対しては、一般的な分野でも非一般の分野でも就労の機会を与えることが必要です。全ての視覚障害者が一般就労に就くのには限界があることを鑑みれば、農村地域に住む人々による農業・農場経営といった分野も含めた非一般的な雇用や企業も推奨すべきだと思っています。また、マッサージ師が現在世界で急成長を遂げているマッサージ産業の競争に参加できるよう、視覚障害者によるマッサージの質の向上も必要です。

 

私たちは技術へのアクセスを重要視しているので、活動指針では最小限のアクセス手段をもった視覚障害者のためのテクノロジーへのアクセスの向上を優先しています。

 これらのアクティビティに着手するに当たっては、Pertuniが単独で活動することはできません。今後もCSOや業界との協力関係を継続し、発展させていこうと考えています。

 

障害者団体であるPertuniの目標は、障害インクルージョンに向けた政策転換です。従って、上記で述べたような分野の政策モデルを一度公式化することができれば、比較的大きな規模でそうした政策を行き渡らせるために、政府の関連機関へそれらを提言することが可能でしょう。全ての分野の発展をインドネシアの全ての視覚障害者に届けなければ成りません。誰一人として取り残されてはならないのです。

 

インドネシアは障害インクルーシヴな開発を実施すべきです。この新たなパラダイムを実行するために、インドネシアには新しい障害者運動が必要であり、私たちはこうした運動の発展に積極的に関わりたいと思っています。

 

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カントリーレポート: 2014年ラオス盲人協会

 

2014年9月7日、ラオス盲人協会(LAB)は創立7周年を迎えた。ヨーロッパの二つの盲人協会、ノルウェー視覚障害者協会とデンマーク盲人協会(DAB)の支援を受けてきたLABは、両者からの継続的なサポートに敬意を評し、そのことを私たちの歴史として記録しておきたいという気持ちが日に日に増しているところである。

 

さらに、今年はICEVIとタイ・クリスチャン基金からの支援で、少なくとも9人のラオスの視覚障害学生が情報コミュニケーション技術(ICT)の研修を受けるためにバンコクへ送られた。学生全員がICEVIから提供されたノート型パソコンを利用して、比較的ハイレベルな教育へのアクセスが可能となった。

 

上記に挙げた支援と幾度にも渡る教育機関との話し合いを経て、視覚障害学生が入学金・授業料・寄宿舎費免除で国立大学を初めとする各大学で学ぶことがついに認可された。

 

LABは各障害者団体と連携し、過去数年間にわたって多くのアドヴォカシー活動を展開してきた結果、2014年の4月18日にラオス首相による障害者関連の法令の発布に漕ぎ着けた。しかし、これはまだ初歩的な成功に過ぎないので、LABでは政府に対して法令の積極的な実践を推奨するために、今後も活動を継続していく所存である。

 

DABとノルウェー視覚障害者協会の支援を通じ、LABでは地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)の活動にも取り組み続けた。DABは多くのLAB職員・会員に対して学びの活動やすばらしい企画を提供し、同時開催で、ガーナ・ネパール・バングラディッシュ等の盲人協会の経験を学ぶ講習会も行なわれた。これらのワークショップから、LABは首都であるビエンチャンと同様に活動している、シエンクワン・ルアンパバーン・チャンパサックの3地方でのCBRの実現のための知見と技術を高めた。調査を通じて認められた視覚障害者は、教育・職業・身体的側面で適切なリハビリテーションを受けることができた。

 

このリハビリテーションにより、2013年から2014年の間に、12人の視覚障害児がビエンチャンの二つの盲学校での学習が可能となり、38人の成人の視覚障害者には職業訓練を、そしておよそ450人の先天性の視覚障害者には日常生活訓練と共に歩行訓練を提供することができた。

 

2013年にはアメリカのダックスべリの職員の多大な尽力により、ラオス語版ダックスべリプログラムが開発され、これにより2014年にはLABでの100冊の点字本の出版がより便利で容易になった。加えて、ラオスのアメリカ大使館では、LABでの視覚障害者向けスクリーンリーダーの製作を可能にするために使用する補助金の申請が承認された。

 

LAB2014年から2015年に向けては、ラオスの郵政省の所管である電子政府局とタイ語版NVDAを製作したタイのICT研究機関であるNECTECとの連携を図り、ラオス語版NVDA2015年半ばまでに無料ダウンロード用のウェブサイトを通して国内へ配信できるよう、準備を進めている。

 

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フィリピン・ファッション・ウィークに全盲の女性が初参加

 ギナ・ローズ・バランレイ(フィリピン盲人協会)

 

フィリピン盲人協会 

住所:Suite 508Jose Cojuanggco and Sons Bldg.

119 Dela Rosa corner Castro St.

Legaspi Village, Makati City

電話: (02) 818-3911 loc 8251

Eメール: philippineblindunion@yahoo.com

 

2013年のミズ・フィリピン・ビジョンに選ばれたアジェッサ・アシュリー・リーチェーン・エスピリチュ氏とミカエラ・チャリナー・マカド氏は、2014年5月31日午後4時、パサイ市のモール・オブ・アジア内にあるSMXコンベンションセンターのホール3で行なわれていた「フィリピン・ファッション・ウィーク・ホリデー」に初めて参加した全盲女性となった。

全盲女性のファッションショーへの参加は、フィリピン盲人協会(PBU)女性委員会と全国視覚障害女性エンパワー協会(NOVEL)の努力に加え、事故で失明した元モデルのゲリー・ゴンザロ氏の支援によって実現した。ゴンザロ氏はランウェイ・プロダクションの専務理事であるオーディー・エスピノ氏に二つの障害者団体を紹介し、出演を提案した。嬉しいことに、障害者の社会的インクルージョンと平等に向けた、少なくとも二人の全盲女性のフィリピン・ファッションウィークへの初参加という提案は受け入れられた。5月30日、イベントの関係団体であるランウェイ・プロダクションはこの二人のモデルへの配慮として、40フィート×32フィートの長方形のステージ上を白杖を使用し、ハイヒールを履いて歩く歩行訓練を実施した。二人の指導にはResources for the BlindRBI)の歩行訓練師、ミラ・ウェイノ氏が当たった。ファッションショーは、プロのモデルによる国内のデザイナーの高級ファッション、今後のビジョンやトレンドの披露から始まった。そして白杖をついた二人の全盲のモデルは、障害者団体による4分間の白杖啓発ビデオの上映の後、"You'll Never Walk Alone"の音楽に合わせて登場し、ライル・アイバンズとオーディーの最新作を披露してトリを飾った。今回の準備に当たって大いに協力した障害者団体とNGO、そして視覚障害をもつ女性たちは、ショーの成功と業界人や若い知識人、政治家も含めたおよそ100人の観客からの反響に感激していた。

 

ファッションショーについては、ソーシャルメディアで即座に取り上げられた。最も感動的な反応を見せたのは、Myusefultipsに掲載されたブログだった。記事では、2014年のフィリピン・ファッション・ウィークにおけるインクルージョンを重視している。また記事では、「…今回のショーは、今日の主な世界的問題の一つである社会的平等の啓発キャンペーンとなった。イベントに参加した50人のデザイナーのうち、オーディー・エスピノとライル・アイヴァネッズだけが大胆にもモデルに美しい全盲の女性を採用した。これは、他国のファッション業界の指導者や専門家、中でも先進的なファッションの都であるニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、そして東京のファッション分野のリーダーたちが見習うべき、ファッションによる啓発のすばらしい取り組みだった。…」

全盲のモデルたちは、フィリピンの主要な三つのテレビ局の番組でも取り上げられた。アジェッサ・エスピリチュの話はドラマ化され、最近ではドキュメンタリー番組も放映された。

PBUの女性委員会とNOVELによる視覚障害女性の権利向上に関するアドヴォカシーはこれからも継続しなければならないが、今回のイベントは彼女たちの提言の実現に向けた大変重要な一歩である。

 

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PBU女性委員会とマンブガン障害者協会、アンティポロ市の「視覚障害者のサポートに関する研修会」を主催

ジーナ・ローズ・バランレイ(フィリピン盲人協会)

 

2014年5月23日、PBU女性委員会とマンブガン障害者協会はアンティポロ市マンブガン地域の職員と住民の意識向上を目指して、地域内の視覚障害者のガイドやサポート方法に関する講習会「Courtesy Guidelines: 視覚障害者と関わるための移動研修」」を開催した。

 

半日間行なわれた講習会には、マンブガン地域自治会長のマーロン・ジンガパン氏や地域議会議員ローブル・エストレラ氏を初めとする40人が参加し、障害者協会会長による視覚障害者のサポート方法の実演や、Resources for the Blindのリソースパーソンであるミラ・ウェイノ氏による講義が行なわれた。

 

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ICEVI地域総会のお知らせ(東アジア地域)

 

2015年以降の「全ての人に教育をー視覚障害児版(EFA-VI)」: アジア地域の展望

開催日: 2015年9月28日〜10月1日

会場: インドネシア バリ島 ホテル・サヌアパラダイスプラザ

主催: ICEVIインドネシア・ネットワーク

 

国際視覚障害者教育協議会(ICEVI)は、視覚障害をもつ全ての子供と若者が十分に能力を発揮するために、彼らの適切な教育への平等なアクセスに向けて活動する個人・団体の国際的な組織です。ICEVIの詳細については、公式ウェブサイト(www.icevi.org)をご参照ください。

東アジア地域会議について

ICEVI東アジア地域協議会では国際的キャンペーン「全ての子供に教育を(EFA)」を見据えて、視覚障害児への教育に関する問題を基本的人権として熟慮することに勤め、2015年以降のEFAキャンペーンはアジア地域の視覚障害児を含め、世界中の多くの視覚障害者に当てはまるものであると確信しています。

 

テーマ: 2015年以降のEFA-VI:アジア地域の展望

会議ではEFA・法律・カリキュラム・人材開発・技術・高等教育における国際的展望について議論します。また、全体会議では以下の議題に焦点を当てます。

 

EFAと障害:国際的展望

EFA-VIの推進とアジア地域における展望

インクルージョンのための法整備:ASEANの経験(東南アジア教育大臣機構=SEAMEO

EFA:弱視の子供と重複障害児への教育提供に向けた戦略

技術の役割

高等教育

 

セッションでは、テレビ・LCDプロジェクター・スライドプロジェクター・OHP・フリップチャートなどの使用が可能です。

指定の展示会場では参加者によるポスタープレゼンテーションができます。

全体会では中国語・英語・日本語・インドネシア語の通訳を利用できます。ただし、パラレルセッションでの同時通訳は利用できないことがあります。

 

会議への報告書の要約を200語以内で事務局に提出してください。

あて先: ダトー S. クラセガラン(事務局長)

住所: Kompleks MAB Jalan Tebing, Off Jalan Tun Sambanthan 450470, Kuala Lumpor, MALAYSIA

締め切り:5月31

Eメールでの提出も受け付けます。

Eメールアドレス: ranthoku@streamyx.com

またCCICEVICEOを勤めるM.N.G.マニ博士にも送信してください。

Dr.Maniアドレス: oficevi@gmail.com

 

地域組織委員会

本会議の地域組織委員会は、議長をICEVI東アジア協議会のスウィモン・ウドンピリヤサク博士、副議長をダトー・S.クラセガラン氏が勤めます。その他、スリ・ソエダーソノ(インドネシア・ネットワーク)、インドネシア スラバヤ州立大学"Ak. M.Si. 教育学部のムジト博士、インドネシア特別支援教育ディレクターで行政学修士のIr.スリ・レナニ・パントジャストゥティ氏、Pertuni会長のアーリア・インドラワティ氏、そしてCEOM.N.G.マニ博士が委員を勤めます。委員会は会議に関する一切の政策決定の責任を負います。

 

実行委員会

実行委員会はICEVIインドネシア・ネットワーク議長のスリ・ソエダーソノ氏が委員長を務めます。委員には、ムジト博士、政府からの現地委員としてダトー・クラセガラン氏(本会議事務局長)、Pertuni代表としてアーリア・インドラワティ氏が参加しています。実行委員会ではニーズに応じて、レセプション委員会・リソース活用委員会・交通委員会・エンターテイメント委員会などを組織します。スウィモン・ウドンピリヤサク博士とM.N.G.マニ博士も実行委員会を兼務することになっています。

 

事務局

事務局長はマレーシアのダトー・S.クラセガラン氏、委員には地域組織委員会委員長のスウィモン・ウドンピリヤサク博士、ムジト博士、アーリア・インドラワティ氏、エイミー・モジカ氏、M.N.G.マニ博士(ICEVI)が勤めます。

 

登録詳細

会議への登録料(米ドル)は以下の通りです。

早期登録(5月31日以前): 

インドネシア以外の国からの参加250ドル、インドネシア国内からの参加150ドル

通常登録(5月31日以降):

インドネシア以外の国からの参加300ドル、インドネシア国内からの参加200ドル

同伴者:

インドネシア以外の国からの参加150ドル、インドネシア国内からの参加150ドル

 

会議ではホテル・サヌアパラダイスプラザを利用します。参加者は登録フォームで希望を記入するとこのホテルで宿泊することができます。近辺の他のホテルを選択することも可能です。ホテルや料金の詳細については、今後の案内でお伝えします。

 

問い合わせ先:

Sri Soedarsono

International Council for Education of People with Visual Impairment(ICEVI)

JI. Tanah Abang Timur No.15

Jakarta 11010, Indonesia

TEL/Fax: 6221 3512431

Email: sris02@yahoo.com,Indonesia.icevi@yahoo.co.id

会議への登録フォームは6月31日までに運営委員会委員長に提出してください。

 

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編集部連絡先

Chief Editor

Wong Yoon Loong

National Council for the Blind

Malaysia

94B Jalan Tun Sambanthan

Brickfields

50470 Kuala Lumpur

Malaysia.

E-mail: wongyl@pd.jaring.my

 

Dr. Issavara Sirirungruang

Ratchasuda College, Mahidol

University

111 Moo 6, Phuttamonthon 4 Road,

Salaya, Nakhon Pathom 73170,

Thailand.

E-mail: isvrss@gmail.com, issavara.sir@mahidol.ac.th

 

Helen Freris

c/o International Social Service

Australia

Level 2

313/315 Flinders Lane

Melbourne VIC 3000

Email: hfreris@tpg.com.au

 

Jessica Hamilton

& Kylie Bauer

The Royal Society for the Blind

Australia

254 Angas Street

Adelaide SA 5000

Email: Jessica.Hamilton@rsb.org.au, Kylie.Bauer@rsb.org.au