(6月15日付ウクライナ盲人協会のホームページより要約)
マリウポリ出身のシンガーソングライターのボフダン・コヴァルさんは、避難先のウクライナ中部ヴィーンヌィツャで、破壊された故郷についての歌を披露しました。
「私の手のひらであなたの心を暖めさせてください – そこにない咲き誇る街はもうありません…」
ロシア軍による本格的な侵攻が始まった時、コヴァルさんはすぐにマリウポリを離れようとは思わなかったそうです。2014年ウクライナ騒乱と似たようなことがあるかもしれないと思ったにすぎませんでした。
第二次世界大戦についての映画で見たことがまさに現実となり、近所の家にミサイルが命中した時、助けを求める声が聞こえましたが、誰もなすすべがありませんでした。
避難も簡単ではありませんでした。まずいわゆるDNR(ドネツク人民共和国)に行き、次に占領されているベルホヤンスク(サハ共和国)に行き、大勢の避難者とともに体育館で3週間過ごしました。1か月後、4回目の試みでようやくザポリージャ(南ウクライナの都市)にたどり着くことができました。
マリウポリでは町のどこへでも、白杖を使って単独歩行ができていましたが、ヴィーンヌィツャではすべて一からやり直しです。UTOSの支援がある区域内の移動さえ難しいのです。
コヴァルさんは1992年に視力を失い、その後に詩や曲を書き始め、音楽活動を始めました。アルバムをリリースし、詩集を出版、市の大会や音楽祭に長年出演してきました。最近ではフォークアンサンブル「ヴェスニャンカ」の伴奏者としても活動していました。